「ハードな運動をしたわけでもないのに腕が痛い」
「スマホを持っているとすぐに腕がだるくなる」このような悩みを抱えていませんか?
毎日無意識に使っている腕は、知らないうちに疲労がたまり、理由がわからないまま張りや凝りなどの症状があらわれてきます。
そこでこの記事では、腕の張りや凝りが起こる原因や引き起こされる症状、改善する方法などについて詳しく解説します。
腕を痛めないための予防法や痛みが出た場合の対処法もお伝えするので、腕の張り・凝りに悩まされている方はぜひ参考にしてください。
目次
腕の張り・凝りが引き起こす3つの症状
デスクワークなどで座っていることが多く運動量が少ない人でも、腕は毎日使っているはずです。スマホの使用や家事などの日常的な動作でも少しずつ疲労は積み重なり、腕の張りや凝りが起こります。
この腕の張りや凝りを放置していると、様々な症状となってあらわれてくるのです。
ここでは腕の張りや凝りが引き起こす主な症状を3つ紹介します。
それぞれみていきましょう。
腕の疲れ・だるさ
腕の張りや凝りが引き起こす症状の1つ目は、腕の疲れとだるさです。
たくさん歩くと足が疲れてむくみやだるさを感じるように、腕も日々の疲労がたまると疲れやだるさなどの症状があらわれます。
腕がむくんできたり、だるくて力が入りにくくなってきたりしたら、疲労がたまっているサインです。
腕を使うスポーツや重いものを運んだあとなど、筋肉疲労による症状で腕の疲れやだるさを自覚することもあるでしょう。
パソコン作業やスマホの使用などで同じ姿勢を続けた場合にも、腕の疲労やだるさの症状が引き起こされます。
自覚症状がないまま腕を酷使し続けると、頭痛や肩こり、目の疲れなどにもつながるため、注意が必要です。
腕のむくみ
腕の張りや凝りが引き起こす症状の2つ目は、腕のむくみです。
久しぶりにスポーツをしたときや力仕事のあとなどに、腕がパンパンに腫れて重だるく感じることがあります。
これは腕にむくみの症状があらわれている状態で、リンパの滞りが原因で起こるといわれています。
腕の凝りや疲れを放置しているとリンパや血液の流れが悪くなり、老廃物がたまることから腕がむくんでしまうのです。
血行が悪くなると手先に十分な血液が流れず、体が冷え、さらにむくみやすくなるという悪循環に陥ります。
腕にむくみを感じたらマッサージなどで血行促進を行い、冷えや凝りを改善しましょう。
肩こり
肩こりも腕の張りや凝りから引き起こされる症状の1つです。
肩こりには様々な原因が考えられますが、腕の酷使による疲労の蓄積から肩こりの症状があらわれることがあります。
普段から重いかばんを決まった腕で持つ人は、片腕に負担がかかるのでバランスが悪くなり、肩甲骨の内側まで張りやすいです。
スマホやタブレットをいつも同じ手に持っていたり、マウスの操作を決まった手で行ったりするのも腕に負担をかける原因です。
腕の張りや凝りをそのままにしておくと、肩こりにつながるので注意しましょう。
腕の張り・凝りの6つの原因
腕の張りや凝りはなぜ起こるのでしょうか。
実は、腕の張りや凝りが起こる原因は日常生活の中に潜んでいます。
毎日何気なくしてしまっている行動が積み重なり、腕に想像以上の負担をかけているのです。
ここからは腕の張りや凝りの原因を6つ挙げて解説します。
順番にみていくので、当てはまるものがあるかどうかチェックしてみてください。
スマホやパソコンの長時間使用
腕の張りや凝りの原因の1つは、スマホやパソコンの長時間使用です。
スマホはいつも同じ手で持ち、もう片方の指先で操作をします。
移動中の電車の中や家事の合間など、短い時間のつもりでも使用頻度は多く、気付かないうちに腕に疲れがたまる可能性があります。
パソコンのキーボード操作やマウスのクリックも、腕と指を長時間酷使することになり、張りや凝りの症状を引き起こします。
腕に痛みやだるさを感じたらスマホの使用時間を見直し、パソコンの操作では適度に休憩を挟んで腕の負担を減らしましょう。
前傾姿勢でのデスクワークや軽作業
前傾姿勢で行うデスクワークや軽作業も、腕の張りや凝りの原因となります。
デスクワークは長時間同じ姿勢になりがちなので、注意が必要です。
趣味で編み物や裁縫などの手作業を行う場合でも、ついつい集中しすぎて前傾姿勢になってしまうことがあります。
前傾姿勢のまま長時間作業を続けると、腕の筋肉が固まってしまい、張りや凝りの症状につながります。
前傾姿勢での作業は適度に休憩を取り、合間にストレッチなどで体を動かして筋肉が固まらないように注意しましょう。
重い荷物の持ち運び
重い荷物の持ち運びも、腕の張りや凝りの症状を引き起こす可能性があります。
スーパーの買い物袋など、重い荷物を運ぶ際に片側の腕だけを使う人が多いです。
片方の腕だけに重みがかかると負担が大きくなり、痛みやだるさにつながってしまいます。
通勤用のバッグを持つときも、意識して片方の腕ばかりに負担をかけないように注意しましょう。
日常的に使うバッグは、両腕が空くリュックや肩掛けタイプの鞄がおすすめです。
スーパーではショッピングカートを利用し、お米や飲料・洗剤などの重い商品はネット注文や宅配サービスを活用するとよいでしょう。
家事や育児
日常的に行っている家事や育児なども、腕の張りや凝りを引き起こす原因の1つです。
家事や育児は当然行うものとしての慣れがあり、腕に負担をかけている自覚がない人が多いでしょう。
しかし、気付かないうちに少しずつ疲労が積み重なり、腕に凝りやむくみなどの症状を引き起こします。
例えば、毎日使うキッチンの調理台の高さが合っていないと料理や食器洗いの際に無理な体勢になり、腕に負担がかかります。
育児では子供を抱き上げたり、抱っこし続けたりする動作が当たり前です。
在宅介護では高齢者の移動や入浴のサポートなど、腕を使う頻度は多いでしょう。
少しでも腕に痛みや疲れを感じたら休息をとり、自分1人で抱え込まないように周囲に相談することが大切です。
腕をよく使うスポーツ
腕をよく使うスポーツもまた、腕の張りや凝りを引き起こす原因の1つといえるでしょう。
野球やテニス、バレーボールやバスケットボールなどの腕を使うスポーツでは、腕の筋肉を多用します。
腕を酷使することで筋肉疲労が起こり、張りや凝り、痛みなどの症状があらわれるのです。
硬くなった筋肉は神経を圧迫し、しびれや麻痺などの神経症状を引き起こす場合もあります。
また、腕は「使いすぎ」だけではなく「使わなすぎ」でも痛めることがあります。
運動不足で急にスポーツを行うと、凝り固まった筋肉に負担をかけることになり、痛みにつながってしまうのです。
久しぶりに運動をするときは、事前にストレッチなどで筋肉をほぐすようにしてください。
精神的なストレス
精神的なストレスが腕の張りや凝りの原因になることがあります。
人は精神的なストレスが強まると自律神経が乱れ、血液の循環が悪くなってしまいます。
血流が悪くなると体全体の様々な部位で不調が起こり、その1つとして腕の張りや凝りにつながるのです。
重いものを持ったり、腕を使う運動をしたりしていないのに腕に不調を感じる場合は、自律神経が関係している可能性があります。
また、精神的なストレスから睡眠不足や疲労などの肉体的なストレスが引き起こされると、より症状が悪化してしまいます。
少しでも精神的なストレスを解消し、生活習慣を見直して自律神経を整えることが大切です。
腕の張り・凝りを予防する方法3選
ここまで腕の張り・凝りの症状や原因について解説してきました。
ここからは腕の張りや凝りを予防する方法を紹介します。
腕の張りや凝りを予防するためには、血行を良くすることが重要です。
血行を改善し、腕の張り・凝りを予防する方法は、以下の3つです。
それぞれ詳しくみていきましょう。
姿勢に気を付ける
腕の張り・凝りを予防する方法の1つは、姿勢に気を付けることです。
デスクワークでパソコンやタブレットを使用する際には、前傾姿勢にならないように気をつけましょう。
前傾姿勢のまま作業を続けていると血流が悪くなり、腕の筋肉がこり固まってしまう可能性があります。
正しい姿勢になるように、デスクや椅子の高さを自分に合わせて調節し、椅子の背もたれに臀部を密着させるように座ります。
背筋を伸ばして両膝を揃え、足の裏全体を床につけることを意識してください。
スマホは目線の高さまで持ち上げて使用し、猫背にならないように注意しましょう。
早く文字を打つなどの作業に没頭すると姿勢が悪くなりがちです。
常に正しい姿勢を意識して、なるべく腕に負担をかけないことが大切です。
長時間同じ体勢を続けない
長時間同じ体勢を続けないことも、腕の張り・凝りを予防する方法の1つです。
デスクワークをしている人のなかには、一日中同じ体勢でパソコンの前に座っている人もいるでしょう。
長時間同じ体勢でいると筋肉が凝り固まり、血流が悪くなってしまいます。
また、キーボードを打ったり、マウスをクリックしたりする動作は手指を使うため、腕にも負担がかかります。
仕事中でも30分に1回程度はスマホやパソコンの画面から目線を外し、軽いストレッチなどをして筋肉をほぐすとよいでしょう。
準備運動や整理運動を行う
スポーツによる腕の張り・凝りを予防するためには、準備運動と整理運動が有効です。
スポーツの前に行う準備運動には、筋肉を伸ばして柔軟性を高める目的があります。
運動前に硬くなった筋肉をほぐすことで血流を良くして筋肉の負担を減らし、運動後の痛みやケガを予防する効果が期待できます。
スポーツのあとに行う整理運動は、運動後のクールダウンや疲労回復を早める目的があるため、必ず行うようにしましょう。
ストレッチなどの準備運動・整理運動は、実施するスポーツの種類に合わせて、痛みが発生しやすい部位を中心に行います。
腕を使うスポーツの場合は、腕や手指を中心にストレッチをしてください。
腕の張り・凝りを改善する方法4選
少しでも腕の張りや凝りを和らげたいという人のために、ここからは改善する方法をお伝えしていきます。
腕の張り・凝りを改善する方法は、以下の4つです。
できる範囲で実践し、腕の張りや凝りを改善しましょう。
マッサージやストレッチで筋肉をほぐす
腕の張り・凝りを改善するには、マッサージやストレッチが有効です。
腕は毎日無意識に使っているため、張りや凝りを実感していない人もいることでしょう。
しかし、気付かないうちに疲労がたまり、凝りの症状が出ている場合もあります。
腕や手指をマッサージするとだるさがとれて軽くなり、その違いがわかります。
日頃からこまめにマッサージをして、疲れをためないことが大切です。
また、腕を使わなさすぎることから生じる腕の凝りには、ストレッチがおすすめです。
仕事や家事の合間にストレッチタイムを設け、体を動かすことを習慣付けると血行改善にも役立つでしょう。
腕の血行促進に効くアイテムを使用する
腕の張り・凝りを改善するためには、血行促進に効果的なアイテムを活用するのも1つの方法です。
腕や手の凝りをほぐせる「マッサージローラー」は、すき間時間に利用できる便利なアイテムです。
エアバッグで腕を包み込み、しっかりマッサージをしてくれる「エアーマッサージャー」も、
使いやすくおすすめです。
他にも血行促進グッズとして、磁気を使用したアイテムも人気があります。
これらのアイテムを活用することで血流を改善し、血行不良によって引き起こされる症状の改善が期待できます。
日々の生活に忙しく体のケアに時間がかけられないという人は、このようなアイテムを取り入れてみてはいかがでしょうか。
ツボを押す
腕の張り・凝りを改善するには、特定のツボを押す方法もおすすめです。
スマホやパソコンの操作、重い荷物を運ぶ作業で疲れたときは「手三里(てさんり)」というツボを刺激することで改善につながります。
「手三里」は、肘を曲げた時にできるシワの外側から、手首側に指3本分上のところにあるツボです。
このツボを以下の要領で刺激してみましょう。
- 1. 指の腹で5秒程かけながらゆっくり押す
- 2. そのまま5秒キープする
- 3. 両腕5回程度、1日1回行う
「手三里」は腕や肘の使用頻度が高く、張りや凝りを感じる人に効果があるといわれています。
湿布や内服薬を使用する
腕の張りや凝りが悪化し、痛みが出てしまったときは湿布や内服薬を使用することで症状を軽減できます。
この場合の湿布とは、筋肉や関節の痛みによく使われる外用鎮痛消炎薬のことです。
外用鎮痛消炎薬には湿布だけでなく、ゲルやローションなど様々なタイプがあります。
一方、内服薬は市販されている解熱鎮痛薬で、痛みや炎症を抑える効果があります。
痛みが強い場合には、内服薬を服用した上で湿布を使用するケースが多いですが、まずは薬局の薬剤師に相談してください。
短期間で痛みが改善されないときは、医療機関の受診をおすすめします。
まとめ
腕の張りや凝りの改善方法を中心に、原因や症状、予防法などについて解説してきました。
腕は毎日無意識に使い続けるため、疲労が蓄積しています。
スマホやパソコンの使用が生活と切り離せなくなっている現代では、腕にかかる負担が大きくなるのも仕方ないのかもしれません。
しかし、生活習慣を見直し、日々のケアを意識するだけで腕の張りや凝りなどの症状を緩和することができます。
少しでも腕の痛みを感じたら放置せず、早めのケアで改善していきましょう。