磁気健康ギア「Colantotte(コラントッテ)」の製造・販売元である株式会社コラントッテ(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:小松 克已)と大阪体育大学 スポーツ科学部 石川昌紀教授の産学連携の共同研究論文が2024年10月23日、国際雑誌「Sensors」に掲載されました。
「Sensors」は科学と技術に関する研究論文が掲載されるオープンアクセスの査読付き国際雑誌。Impact Factorとよばれる学術雑誌の影響度を評価する指標が3.9と高く評価されている国際雑誌の1つです。
<背景>
高強度トレーニング後の疲労回復やオーバートレーニング状態に自律神経活動が影響し、疲労回復過程においては副交感神経を優位にすることが重要とされています。その方策として生体への静磁気による自律神経活動への介入が疲労回復を促すことが期待されており、その効果を確認するために本検証を行いました。
本研究は、高強度の長距離走(30km走)後に磁気ウェアを着用することが、男性長距離ランナーの自律神経と睡眠の質に与える影響を調査したものです。
・MAG条件で深睡眠時間が有意に増加
・MAG条件で浅睡眠時間が有意に減少
・REM睡眠はMAG衣服の着用後で有意に増加
図1. 30km走前後(PreとPost)の睡眠時間の質をCTRLおよびMAG条件で比較赤い縦線は条件間の統計的に有意な差を示します(p < 0.05)。
CTRLと比較してMAG条件で、すべての指標が副交感神経活動の優位性を示した(図2)。
図2.30km走後のCTRL およびMAG条件における自律神経系指標の変化
( A ) RMSSD(連続RR間隔差の二乗平均平方根)比 ( B ) HF(高周波)パワー比 ( C ) LF/HF(低周波/高周波)比 ( D ) HF/(LF+HF)比. *および***は、CTRL条件とMAG条件間の有意差を示しています(それぞれp < 0.05およびp < 0.001)。
CTRLと比較してMAG条件で自覚的回復スコアが有意に向上
図3.CTRLおよびMAG条件での30km走後の自覚回復度
***はCTRL条件とMAG条件間の有意差(p < 0.001)を示しています。
磁気ウェアの着用は、高強度ランニング後の男性長距離ランナーにおいて:
1.副交感神経優位性を促進
2.睡眠の質を改善(特に深睡眠時間の増加)
3.主観的な回復感を向上
30km走後の磁気ウエアの着用の有無によって、睡眠の質や副交感神経の状態に影響を及ぼすことが確認でき、疲労回復を促す磁気ウエアの可能性を示した。
磁気ウェアは、激しいトレーニング後のアスリートの回復を促進する実用的な方法となる可能性が示唆されました。特に重要な競技前や集中的なトレーニング期間中の回復戦略として有用である可能性があります。今後は、より大規模な参加者での検証や、長期的な効果の検討、最適な磁場強度の特定などが必要とされています。
大阪体育大学大学院 スポーツ科学研究科
専門は、身体運動の神経・筋機能メカニクス。ヒトの身体運動能力の可能性と限界について研究し、オリンピックや世界選手権で活躍するアスリートのサポート活動も行っている。スポーツ科学博士。