「運動をするといつも足がだるくなるのはなぜ?」
「普通に生活しているだけなのに足が重く感じる」このように足のだるさ・重さにお悩みの方は多いでしょう。足がだるい・重いと感じるのは運動による筋肉疲労が原因の場合もありますが、日常生活の習慣によって症状が引き起こされるケースもあります。
そこでこの記事では、足がだるい・重いと感じる原因と、症状を改善するために自分でできる7つの対処法について解説します。後半では毎日のケアにオススメのマッサージやストレッチも紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
この記事を読んで足のだるさ・重さの症状を改善し、はつらつとした毎日を送りましょう。
目次
足がだるい・重いと感じられる5つの原因
激しい運動や長時間の歩行をした後に足がだるい・重いと感じる人は多いでしょう。
一方で、特に運動をしていないのに同じような症状に悩まされる人もいます。それはいったいなぜなのでしょうか。
ここでは足がだるい・重いと感じられる理由として、以下の5つの原因を挙げて解説します。
順番にみていきましょう。
足の筋肉疲労による血行不良
足がだるい・重いと感じられる原因の1つとして、足の筋肉疲労による血行不良が挙げられます。
スポーツなどで足の疲労が蓄積すると筋肉も硬くなって血管を圧迫し、血行不良を引き起こします。足が血行不良になると老廃物が溜まりやすくなるため、ふくらはぎに痛みやむくみなどの症状が現れ、だるさや重さにつながるのです。
ふくらはぎの筋肉は「第二の心臓」と呼ばれています。
足の静脈血は重力に逆らって心臓に送り返されるため、ふくらはぎの筋肉がポンプのような役割を担っているからです。
しかし疲労で足の筋肉がこわばっていると、ポンプの役割がうまく働かなくなり、血液の循環が悪化します。
そのため、足に水分や老廃物がたまり、だるさや重さを感じるようになるのです。
体の冷えによる血管の収縮
次に足がだるい・重いと感じられる原因として、体の冷えによる血管の収縮が考えられます。
体が冷えると血液の流れも悪くなるため、温かい血液が毛細血管へ流れず血管が収縮し、足の冷えにつながります。
この足の冷えがむくみを引き起こし、足のだるさや重さの原因となってしまうのです。
とくに女性の場合は男性に比べて筋肉量が少なく、皮下脂肪の多いことも体が冷える原因の1つです。筋肉が少ないと代謝を上げられず、エネルギーである熱を運ぶのが難しくなってしまいます。
運動などで筋肉を増やして代謝を上げ、冷えにくい体をつくることが大切です。
長時間同じ姿勢を続ける
長時間同じ姿勢を続けることも、足がだるい・重いと感じられる原因です。
立ち仕事やデスクワークなどで同じ姿勢を続けていると、ふくらはぎの筋肉は長時間使われない状態になり、筋肉が硬くなります。
筋ポンプであるふくらはぎの筋肉が働かないため足に血液がたまり、だるさや重さを感じます。
このような状態を放置すると、場合によっては下肢動脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)などの病気につながるリスクもあるため注意が必要です。
症状を改善するためには、筋ポンプの機能が正常に働くように回復させ、血流を良くすることが重要です。長時間同じ姿勢でいるのを避け、意識してふくらはぎの筋肉を動かすようにしましょう。
ふくらはぎ・骨盤まわりの筋肉の張り
足がだるい・重いと感じられるのは、ふくらはぎや骨盤まわりの筋肉の張りが原因となっている可能性もあります。
上述したとおり、ふくらはぎの筋肉は血液を心臓に押し戻すポンプの役割を担っています。
この筋肉が張って硬くなると、ポンプの力が低下して血液の流れが悪くなり、水分や老廃物がたまって足にだるさや重さなどの症状を引き起こすのです。
また、骨盤には上半身と下半身をつなぐ腸腰筋(ちょうこうきん)という筋肉があり、姿勢に影響を受けます。
デスクワークなどで悪い姿勢を続けていると腸腰筋が張って硬くなり、足の血流が妨げられてだるさや重さなどの症状につながります。
内臓・血管疾患によるもの
足のだるさ・重さがなかなか解消されない場合、内臓や血管疾患が原因になっているケースも考えられます。
ここでは「心臓」「肝臓・腎臓」などの内臓疾患、女性に多い傾向がある「下肢静脈瘤」「月経前症候群」などの血管疾患について簡単に解説します。
【心臓】
心臓の障害が原因で、心臓から血液を送り出す力が弱まり、結果として足のだるさや重さが生じる。
【肝臓・腎臓】
肝臓・腎臓の障害が原因で、血中の水分量の調整がうまくできず、足にむくみが出る場合がある。
【下肢静脈瘤】
足の静脈に備わっている逆流防止弁という弁が何らかの原因で壊れて逆流し、足に血液がたまった状態。足の血管がぼこぼこと浮き出るなど、見た目にも症状が現れる。
【月経前症候群】
月経の3~10日ほど前に現れる精神的・身体的不調で、月経の開始と同時に消えることが多い。症状には個人差があり、足のだるさ以外にも不安感・憂鬱・イライラ・頭痛・肌荒れなどがみられる。
足がだるい・重いと感じた時の対処法7選
次に、足がだるい・重いと感じた時の7つの対処法を紹介します。
どれも簡単にできる対処法のため、毎日の生活に取り入れて改善していきましょう。
適度に運動する
足のだるさ・重さを改善するためには適度な運動が効果的です。
軽い屈伸運動やアキレス腱を伸ばす運動でふくらはぎの筋肉を動かし、足の血液循環を促進しましょう。足にたまった血液には老廃物が滞留しているので、血流を良くすることでむくみが改善されます。
運動不足にならないように、ウォーキングや水泳などの負担の少ない運動を日常的におこなうことが大切です。
ウォーキングをする際には大きい歩幅で早めに歩くことを意識すると、筋ポンプ機能がアップします。1日8000歩程度を目安に、毎日できるだけ歩くように心がけましょう。
適切な姿勢を保つ
日常生活では、適切な姿勢を保つことも足のだるさ・重さの改善に役立ちます。
デスクワークや立ち仕事を長時間おこなう場合、楽な姿勢をとってしまいがちです。
悪い姿勢を続けていると足への負担がかかり、血行不良が起こることからだるさや重さにつながります。
猫背や反り腰など、姿勢が崩れた状態でいると、足だけではなく腰や肩にも負荷がかかり、さまざまな症状を引き起こす原因にもなるでしょう。
適切な姿勢を保つことで重心が正しい位置に乗り、足への負荷も減少します。結果的に足の血流が改善され、だるさや重さなどの症状の緩和が期待できます。
足を少し高くする
足のだるさ・重さの対処法として、足の位置を少し高くする方法があります。
足に血液が滞留してむくんでいる場合、足を心臓より高く上げると、たまった血液を心臓に戻せます。
枕やクッションなどの上に足を乗せて、高くした状態で寝るとよいでしょう。
就寝前に仰向けで寝た状態で両足を上にあげ、足全体をぶらぶらと揺らす運動も効果的です。
足裏からふくらはぎにかけての血行が促進され、足のだるさ・重さの改善が期待できます。
適切な水分摂取
適切な水分の摂取も、足のだるさ・重さの改善に有効です。
体が必要とする水分量を摂取することで、体内にある余分な塩分や老廃物を排出しやすくなるからです。
反対に水分が不足すると血液がドロドロになり、血行不良の原因になります。
汗をかきやすい夏場やスポーツをおこなう際に水分補給をおこたると、筋肉がこわばったり足がつったりするなどの脱水症状が引き起こされるでしょう。血流の悪化から疲労感が増す可能性もあるため、夏場や運動の前には十分な水分補給をオススメします。
また、空気が乾燥しやすい冬場もこまめな水分補給を心がけましょう。
塩分の摂り過ぎを避ける
足のだるさ・重さを改善するためには、塩分の摂り過ぎに気をつけましょう。
必要以上に塩分を摂り過ぎると、喉が渇いて水を飲みたくなります。なぜなら人間の体液は塩分濃度が決まっているため、それを超える塩分を摂取すると自己防衛反応が働き、水分を摂って濃度を薄めようとするからです。
余分な塩分と一緒に水分を摂取すると体液が増えて体内の水分バランスが乱れ、むくみを引き起こす原因になります。
塩分は調味料としての塩だけではなく、加工食品やスナック類、インスタント食品にも含まれています。普段からバランスのよい食事を心がけ、塩分の摂り過ぎに注意しましょう。
マッサージ・ストレッチをおこなう
足のだるさ・重さの対処法として、マッサージやストレッチを日常生活に取り入れてみましょう。
足のマッサージやストレッチをおこなうことで、筋肉や血管の緊張が緩和され、血行の改善が期待できます。
しっかり湯船に浸かったお風呂上がりなど、体が温まっているときに、ふくらはぎの筋肉をよく揉みほぐすマッサージをおこなうことで血液の流れが良くなります。
ふくらはぎの筋肉をストレッチで伸ばすことも、足の血流改善に有効です。
ただし、下肢静脈瘤などの症状がみられる場合には、皮下出血を起こすリスクもあるため、医療機関の受診をオススメします。
足の疲れを取るアイテムを利用する
足のだるさ・重さを改善するためには、足の疲れを取るアイテムを利用する方法もあります。
日々の生活に忙しく「足のケアまで手がまわらなくて疲れはたまるばかり」という方も多いでしょう。
そんな方には市販で購入できる着圧ソックスやストッキング、磁気サポーターやマッサージグッズなど、手軽に血行促進ができるアイテムをオススメします。
足枕や足に貼るだけのシートなどもすぐにリフレッシュできて効果的です。
足の疲れはなるべく毎日ケアし、ためないようにしましょう。
自分に合ったアイテムを見つけて、日常のケアに役立ててください。
足のだるさを改善するマッサージ・ストレッチ4種
ここからは、足のだるさ・重さの改善に効果的な4種類のマッサージ・ストレッチを紹介します。
順番に紹介しますので、足のだるさ・重さに悩んでいる方は、ぜひ毎日の習慣として取り入れてみてください。
リンパの流れを良くするふくらはぎマッサージ
足のだるさ・重さの改善に効果的なのは、リンパの流れを良くするふくらはぎのマッサージです。
ふくらはぎの筋肉は、血液循環やリンパの流れに密接にかかわるため、足にだるさ・重さを感じたら、まずはふくらはぎのマッサージをおこないましょう。
ふくらはぎの筋肉をほぐすことで血流が促進され、酸素や栄養素が効率よく筋肉に行き届くようになります。そのため、血行やリンパの流れが良くなり、足の疲れやむくみの解消に期待がもてます。
ふくらはぎマッサージの手順は以下のとおりです。
- 床に足を崩して座る
- 片方の足だけあぐらをかいて、すねの骨のきわに手のひらの付け根を当てる
- ひじを入れるように体重をかけて押す
- 足首に向かってふくらはぎ全体におこなう
- 反対側も同様におこなう
床に座っておこなう運動なので、朝起きたときや就寝前などに試してみてください。
ツボを刺激する腎兪マッサージ
ツボを刺激する腎兪(じんゆ)マッサージも、足のだるさ・重さの改善に効果的なマッサージです。
腎兪は腰の上部にあるツボで、足のだるさだけではなく、膝の痛みや腰痛にも効果があるとされています。
腎兪のツボは、腰に両手をおくと自然に親指が届く位置にあるので、自分で押しながら見つけましょう。
腎兪マッサージの手順は以下のとおりです。
- イスに座るか正座の姿勢でおこなう
- 腰のあたりに手を当て、自然と親指が届くあたりにあるツボを見つける
- 左右いずれかのツボの位置にこぶしを当て、上から反対側の手を重ねる
- お腹のほうに向けて10秒ほど圧をかける
- 反対側も同様におこなう
イスに座ったままでもおこなえるので、デスクワークの合間に取り入れてみてください。
アキレス腱を伸ばすストレッチ
次に紹介するのは、足のだるさ・重さに効果的なアキレス腱を伸ばすストレッチです。
アキレス腱が硬くなると血行不良が起こりやすくなります。
筋ポンプで足の静脈の血液を押し上げる役割を担うふくらはぎの下腿三頭筋(かたいさんとうきん)は、アキレス腱とつながっています。下腿三頭筋がしっかり使われないと筋ポンプの作用が働かず、足の冷えやむくみを引き起こす原因となるのです。
アキレス腱を伸ばすストレッチで足のだるさ・重さの症状を改善していきましょう。
アキレス腱を伸ばすストレッチの手順は以下のとおりです。
- 壁に向かって両手をつき、片方の足を一歩前に出して立つ
- 壁に体重をかけながら、前のひざをゆっくり曲げる
- アキレス腱に伸びを感じながら30~60秒キープする
- 足を入れ替えて各5回ずつおこなう
壁に手で体重をかけながら、じっくり伸ばすのがポイントです。
寝ながら足を組んで膝を揺らすストレッチ
最後に紹介するのは、寝ながら足を組んで膝を揺らすストレッチです。
ふくらはぎの筋肉をほぐして血流を改善し、足のだるさ・重さの症状を改善する効果が期待できます。
寝た状態でおこなえるストレッチなので、お風呂上りや就寝前にリラックスしながら試してみてください。
寝ながら足を組んで膝を揺らすストレッチの手順は以下のとおりです。
- 仰向けで寝た状態で膝を立てて足を組む
- 下の足の膝に上の足のふくらはぎを乗せる
- 下の足の膝を揺らし、上の足のふくらはぎの筋肉をほぐすように刺激する
- 反対側も同様におこなう
入浴時に湯船に浸かった状態でおこなうのもオススメです。
まとめ
この記事では、足がだるい・重いと感じたときに考えられる原因や、症状を改善するための対処法について解説しました。
足のだるさや重さは日常生活でよく感じる症状ですが、足の疲れや血行不良が原因で起こるケースがほとんどです。日常生活に軽い運動を取り入れ、ふくらはぎの筋肉を意識して動かすことで改善が期待できます。
簡単なマッサージやストレッチなどを取り入れて自己ケアをおこない、疲れやむくみをためこまないように気をつけましょう。