「ランニングで筋肉痛になるのはどこ?」
「ランニングしても筋肉痛にならない方法はあるの?」
このような疑問を抱えていませんか?
「ランニングを始めたいけれど筋肉痛にはなりたくない」と思っている方は多いでしょう。

残念ながら、ランニング後の筋肉痛を完全に防ぐことはできません。
しかし、筋肉痛を防ぐための予防方法はあります。

この記事では、ランニングで筋肉痛になりやすい部位と原因、予防方法や回復方法などについて詳しく解説します。ぜひ最後まで読んで筋肉痛の予防や回復方法を知り、ランニングを楽しんでください。

ランニングで筋肉痛・痛みが出やすい5つの部位

ランニングで筋肉痛・痛みが出やすい5つの部位

筋肉痛とは、運動によって損傷した筋繊維を修復する過程で起こる痛みだと考えられています。
運動の種類により負荷がかかる筋肉が異なるため、筋肉痛が起こりやすい部位も異なります。

ではランニングの際に筋肉痛になりやすい部位は、主にどの箇所なのでしょうか。ここではランニングで筋肉痛が出やすい5つの部位を紹介します。

  1. お尻
  2. 太もも
  3. ふくらはぎ
  4. 股関節

順番にみていきましょう。

お尻

お尻はランニングの際に筋肉痛になりやすい部位です。

お尻には大臀筋や中臀筋、小臀筋などの筋肉があります。これらの筋肉は、足を後ろに動かしたり蹴り出したりする際に股関節と連動して使われるので、負担がかかり痛みが出やすい部位です。そのため筋肉痛になりやすく、回復にも時間がかかるといわれています。

また、お尻の筋肉痛は骨盤の歪みが原因で起こる場合もあります。骨盤が歪んでいると下半身全体にかかる負担が大きくなるので、筋肉痛が起こりやすくなるのです。

正しいフォームを身につけ、腰回りのインナーマッスルを鍛えるなどして、骨盤の歪みを矯正しましょう。

太もも

太ももには前側に大腿四頭筋、裏側にハムストリングという筋肉があり、どちらもランニングで筋肉痛になりやすい部位です。

大腿四頭筋には着地した際の衝撃を吸収し、足の動きを支える役割があります。前かがみで走る癖がある人や、腰が落ちたフォームで走る人に痛みが出やすいので注意しましょう。

ハムストリングは、膝を曲げたり地面を蹴りだしたりするときに使われる筋肉です。お尻の大臀筋と連動して働くため、この部位が痛む場合は大臀筋の筋力が不足している可能性があります。しかし、ハムストリングが筋肉痛になるということはしっかり蹴り出しができているということなので、フォームの心配をする必要はないでしょう。

ふくらはぎ

ふくらはぎには腓腹筋とヒラメ筋という筋肉があります。
膝を動かすときに使われるのが腓腹筋で、足首を動かす際に使用される筋肉がヒラメ筋です。
どちらもランニングの動作に欠かせない筋肉なので、筋肉痛になりやすい部位といえます。

ランニングで起こるふくらはぎの痛みは、運動前のウォーミングアップをおこなうことで予防できます。ストレッチなどで筋肉への血行を促進し、体を温めてから走るようにしましょう。

筋肉や関節が固まったままで走ると筋繊維に負荷がかかり、筋肉痛になるだけでなく肉離れなどの怪我にもつながります。

股関節

股関節は、走る際に動作の起点となる部位です。
ランニングによって股関節や股関節周りにかかる負担は大きいため、炎症が生じやすく痛みが現れます

股関節が筋肉痛になる原因として考えられるのは、ランニングフォームの悪さです。

自己流で走っている人は、無意識のうちに猫背で走っていたり、左右どちらかに傾いて走っていたりします。上半身の姿勢が悪いと股関節に負担がかかるため、正しいフォームで走ることが大切です。

また、股関節の疲労や股関節異常もランニングでの痛みにつながります。股関節に痛みが生じた場合はランニングを中断し、しっかり休んで炎症を癒すことをおすすめします。

腰もランニングで筋肉痛になりやすい部位です。

ランニングで疲れてくると姿勢が崩れ、背中や腰がまるまりやすくなります。
背中や腰をまるめた状態で走り続けると、地面に着地した際に衝撃吸収がされにくくなり、腰の筋肉に過度の負荷がかかります。そのため腰の筋肉に痛みが生じ、腰痛の原因になるのです。

逆に、腰を反った状態でランニングを行った場合でも腰痛を引き起こすことがあります。
腰を反り、胸を張った状態でのランニングは一見すると正しいフォームに見えますが、骨盤が必要以上に前傾してしまいます。地面を蹴るときに、骨盤をさらに前傾させるため腰の関節が詰まりやすく、関節に炎症を起こす可能性があるので注意が必要です。

ランニングで筋肉痛になる3つの原因

ランニングで筋肉痛になる3つの原因

ここまでランニングで筋肉痛になりやすい部位を紹介してきましたが、ランニングによる筋肉痛はどのような原因で起こるのでしょうか。
ここからはランニングで筋肉痛になる主な原因を3つあげて解説します。

ランニングで筋肉痛になる原因を理解し、予防や対策につなげましょう。

正しいランニングフォームで走れていない

ランニングで筋肉痛になりやすい原因の1つ目は、正しいランニングフォームで走れていないことです。

間違ったランニングフォームで走り続けると、特定の部位に負担が集中してしまい、筋肉痛の原因になります。例えば、前傾姿勢で腰を落とした状態でランニングをすると、太もも前側の大腿四頭筋に負担がかかり筋肉痛が生じやすくなります。

正しいフォームで走るためには、以下の3つのポイントを押さえておきましょう。

  • 背筋を伸ばしてあごを引く
  • 肩をリラックスさせる
  • 自然な歩幅で地面を後ろに蹴ることをイメージする

正しいランニングフォームを身につけて、特定の筋肉に負荷をかけないように走ることが大切です。

運動強度が強い

ランニングで筋肉痛になりやすい原因の2つ目は、自分の筋力に比べて運動強度が強いケースです。

例えば、普段運動をする習慣がない人がいきなり走ったり、いつも走っている距離を大幅に延ばしたりする場合に筋肉痛が生じます。これは筋力不足によるもので、自分の筋力よりも強い強度の運動をおこなうことで筋肉がダメージを受け、炎症を起こすのです。

ランニングを始める際には、いきなり筋肉に大きな負担をかけないように、少しずつスピードや走る距離を変えていきましょう。

ランニングに不向きな環境で走っている

ランニングで筋肉痛になりやすい原因の3つ目は、ランニングに不向きな環境で走っていることです。

外でランニングする場合、地面の環境が筋肉痛を引き起こす原因となります。
アスファルトやコンクリートなどの硬い地面では、着地の際の衝撃を吸収しきれないため、筋肉に大きな負担がかかります。

一方、芝生や土などの柔らかい地面でも、平坦でない場合は走りにくく、足に負担がかかることから筋肉痛になる可能性が高いです。上り坂や下り坂を走る際も、異なる筋肉に負担がかかるため注意が必要です。なるべくランニングに適した地面のコースを選び、安定した走りを心がけましょう

ランニングでの筋肉痛を予防する3つの方法

ランニングでの筋肉痛を予防する3つの方法

ランニングで筋肉痛を全く生じさせないのは難しいですが、事前の対策次第である程度の痛みを予防することは可能です。
ここではランニングによる筋肉痛を予防するための3つの方法を紹介します。

  1. ウォーミングアップとクールダウンを入念にする
  2. 水分補給をする
  3. 血行を促進する

ランニング後の筋肉痛をなるべく軽減するための予防策として、ぜひ実行してみてください。

ウォーミングアップとクールダウンを入念にする

ランニングでの筋肉痛の予防策として、ウォーミングアップとクールダウンを入念におこなうことがあげられます。

筋肉にいきなり強い負荷をかけると筋繊維が痛み、筋肉痛を引き起こすだけではなく、肉離れなどの怪我にもつながります。筋肉痛や怪我を予防するには、ランニングの前にストレッチなどのウォーミングアップを行い、筋肉を柔軟にすることが大切です。

また、ランニング後にいきなり運動を止めると血流が滞ります。血流が悪くなると筋肉に酸素や栄養が供給されにくくなり、筋肉の再生が遅れてしまいます。ランニング後にはウォーキングやストレッチなどの軽度な運動で、クールダウンを入念に行いましょう。

水分補給をする

水分補給も筋肉痛の予防策として有効です。

ランニングはたくさん汗をかくため、体内の水分量が不足してしまいます。
水分が少なくなると血流が悪くなり、筋肉痛が起こりやすくなります。
特に夏場のランニングは大量の汗で水分を失ってしまうため、こまめに水分補給を行いましょう。

水分補給は筋肉痛の予防だけではなく、熱中症対策や脱水症状の予防策としても重要です。可能であればランニング中でも水分補給の時間をつくり、喉の渇きを感じる前に補水をすると良いでしょう。

血行を促進する

ランニング後は血行を促進することで筋肉痛を予防できます。

走った後に筋肉の痛みが出ていない場合は、筋肉を温めて血流を促しましょう。
38~40度のぬるめのお湯にゆっくり浸かり、軽くマッサージをしたり伸ばしたりしながら体全体を温めます。体が温まると筋肉に溜まった疲労物質が流れやすくなり、必要な酸素や栄養が行き渡るため、筋肉痛が起こりにくくなります。

すでに痛みがある場合は、痛みが治まってから温めるようにしてください。お風呂の後には、無理のない範囲でストレッチやマッサージを行い、筋肉をほぐしましょう。血行を促進することで、筋肉痛の緩和や疲労回復に効果が期待できます。

ランニング後の筋肉痛を早く回復させる3つの方法

ランニング後の筋肉痛を早く回復させる3つの方法

どんなに予防策を講じていても、筋肉痛を完全に防ぐことは困難です。ここでは、ランニング後の筋肉痛を早く回復させる3つの方法を紹介します。

  1. アイシングをする
  2. 十分な睡眠をとる
  3. 栄養補給をする

この3つの方法でケアを行い、なるべく早く筋肉痛を回復させましょう。

アイシングをする

まず、ランニング後の筋肉痛を早く回復させる方法の1つとして、患部のアイシングを行うことが挙げられます。アイシングとは、ランニング後に冷たい水や保冷剤などを直接患部に当てて冷やすことをいいます。

筋肉痛は筋肉が炎症を起こした状態であるため、患部が熱を持っている場合があります。痛んでいる箇所は、筋胞膜や毛細血管が傷つき内出血が起きているので、アイシングが有効です。
患部を冷やすことで炎症が広がるのを抑え、痛みを軽減させることができます。

ただし、冷却しすぎると血流が悪化する恐れがあるため、1回10~20分程度を目安に行ってください。アイシングで冷やしても熱や腫れが引かない場合は、神経を痛めている可能性もあるので、病院へ行くことをおすすめします。

十分な睡眠をとる

ランニング後に十分な睡眠をとることも、筋肉痛を早く回復させる方法の1つです。睡眠中には成長ホルモンの分泌が行われるため、痛んだ筋肉の修復が促されます

成長ホルモンは22時から深夜2時にかけて分泌されるといわれているため、22時までに就寝し、7~8時間ほど睡眠をとるとよいでしょう。細胞の新陳代謝を促す成長ホルモンが出ることで、痛みの治癒促進を行い、筋肉痛の回復を早める効果が期待できます。

睡眠をしっかりとることで筋肉痛が回復しやすくなるので、普段から睡眠時間が短い人は生活習慣を見直してみてはいかがでしょうか。

栄養補給をする

筋肉痛を早期回復させるためには、十分な栄養補給が必要です。
筋肉の大半はたんぱく質で作られているため、筋肉を修復させるにはたんぱく質の摂取が近道です。肉類や魚類、大豆製品などのたんぱく質を多く含む食材を積極的に食べましょう。

専用のサプリメントやプロテインなどを活用し、手軽に栄養補給するのもおすすめです。
たんぱく質だけでなく、疲労回復に役立つビタミンB1やクエン酸、血行を改善するビタミンCなども同時に摂取すると効果的です。

栄養バランスの良い食事は筋肉痛を回復させるだけではなく、筋肥大にも効果があります。健康を維持するためにも、普段からバランスの取れた食事を心がけましょう。

筋肉痛のときにランニングは休む方が良い?

筋肉痛のときにランニングは休む方が良い?

筋肉痛が残っている場合、ランニングは休んだ方が良いのでしょうか。

ランニングは体への負担が少ない有酸素運動です。そのため、筋肉痛があっても休む必要はありません。むしろランニングによって筋肉をほぐせるので血行が良くなり、回復を早める効果が期待できます。

ただし無理のない範囲で、いつもより軽めのランニングをおこなうようにしてください。走るスピードを緩めたり、距離を縮めたりすることで調整するとよいでしょう。

痛みがある状態で過度に運動をしてしまうと、筋肉の炎症に拍車がかかり、筋肉痛が悪化する恐れがあります。痛みが強くて歩くことも困難な場合はランニングを休み、安静にして回復に務めることをおすすめします。

筋肉痛でランニングする際の注意点

筋肉痛でランニングする際の注意点

最後に、筋肉痛がある状態でランニングをする際の注意点について解説します。
注意点は以下の3つです。

それぞれみていきましょう。

ランニングフォームの乱れ

筋肉痛を我慢しながら走っていると、前傾姿勢になったり猫背になったりして、ランニングフォームが乱れてきます。
フォームの乱れは怪我にもつながるため、正しいフォームを意識しながら走りましょう。

転倒しやすい

筋肉痛で体が動きにくい状態でランニングをすると、転倒してしまう可能性があります。転倒しても咄嗟に体をかばえず、怪我につながるリスクがあるので、痛みがひどいときは休みましょう。

オーバーワークに気をつける

軽く走って調整するつもりが、途中から気分がのってきてオーバーワークになることがあります。オーバーワークになると疲労回復が遅くなるため、スローペースを心がけましょう。

まとめ

まとめ

ランニングで筋肉痛になりやすい部位や原因、筋肉痛の予防方法や回復方法について解説してきました。

ランニング後の筋肉痛は、間違ったフォームや筋力不足、ランニングに不向きな環境などによって引き起こされます。しかし、運動前のウォーミングアップや運動後のクールダウン、水分補給や血行を促進することである程度の予防が可能です。

筋肉痛を何度も繰り返すうちに、必要な筋肉が育っていきます。
必要なケアをしっかり行い、筋肉痛の回復を促しながらランニングを楽しみましょう。